
生まれたからには幸せになりたい。それは、誰もが思うことでしょう。幸せになる権利は誰にでもあります。
ただし、幸せになるための条件は存在します。
最も根本的な条件は、幸せな人と過ごすこと。自分を不幸にする人を遠ざけることでもあります。本書は、脳科学、社会認知学、神経科学の観点から、「なぜ、あの美女はDV男ばかりにハマるのか?」を解説していきます。
分かりやすく言えば、DV男とばかり付き合う女性は「不幸を求める脳回路が刻まれた状態」にあります。「不幸を求める脳回路」を破壊し、新たな幸せに向かう機会を作ることができずにいます。不幸が脳の報酬系を刺激しているとも言えるでしょう。真っ当な幸せに報酬系が刺激されないとも言えます。
DV男だけを好きになる女性は、家庭環境・自尊心・自己肯定感・目標・コントロール感など多様な問題が総合的に絡んで、その特徴を手にしています。
今回は、DV男とばかり付き合う女性を科学的に解説し、最後には、DV男との関わりから脱却するための提案を添えていきます。
DV男にハマっていない女性のかたでも、自分自身の幸福体現力を高める知見を得られるはずです。人間の本質を理解することにも繋がります。
私たちの幸せは、「脳」が大きく関係しています。
今一度、「DV男にハマる女性」という観点から、私たちの「脳」と向き合っていきましょう。
本記事の目次
理由1:DV男にハマるのは、ドーパミンのせいだった!
「DV男にハマる」ことは、ドーパミン分泌させること
DV男の特徴を脳科学的な観点から深掘りする際に、重要なのがドーパミンです。ドーパミンはドーパミンとは欲望の神経伝達物質です。あなたが何かを欲するとき、それが道路を横断するというシンプルな行動であっても、ドーパミンレベルが上昇します。
ドーパミンは、心を開き、好奇心と関心を持った状態を生み出すのに中心的な役割を果たします。
脳内で毎秒つくられるつながりの数もドーパミンレベルと関係しています。コカインを吸うとドーパミンレベルが急上昇し、脳内で毎秒つくられるつながりの数も増えるため、思考が支離滅裂にあちこち飛んでしまいます。
予期しないものや新しいものを検知すると、ドーパミンのレベルが上がります。ポジティブな期待は脳内のドーパミンレベルが高め、ドーパミンレベルが高まれば、集中力が増します。
自分の報酬(ご褒美)と感じるものには、ドーパミンが分泌されます。そして、実際にしていなくても、報酬(ご褒美)をイメージし、期待しているときにもドーパミンは分泌されます。
「DV男にハマる」という状況は、暴力というネガティブな要因があっても、それ以上にDV男といることにドーパミンが大量に分泌されることを意味します。
DV男からの得られる報酬(ご褒美)が「かけがえのないもの」になってしまうから
私たちは、一般的に「これ楽しそう!」と期待することができれば、ドーパミンを分泌させます。趣味、旅行、スポーツ、美容、お酒、薬物(ドラッグ)など、あらゆるものがドーパミンを分泌させ、人の幸福度を高めていきます。
しかし、DV男性ばかりを好きになる女性は、DV男にハマる以外に、ドーパミンが出る他の物事を身近に持っていずに、DV男にハマることが人生の最大優先事になってしまっているのです。
私たちが正解のない「幸福を探求すること」は、実際には「適切なドーパミンレベルの探求すること」とも言えるでしょう。報酬(ご褒美)が刺激的と感じなくなれば、ドーパミンは分泌されなくなります。
お酒の量がどんどん増えて、依存的になるのは、以前の酒量ではドーパミンが分泌されなくなってしまったからです。もしくは、お酒の量を増やす代わりにドーパミンが分泌される報酬(ご褒美)が見つからなかったためです。
薬物(ドラッグ)がエスカレートするのも同様です。がDV男にハマる女性は、より劇的なDV男性にハマるようになると言えるでしょう。
こう考えると、「多趣味」な女性は、DV男にハマりづらいと傾向にあると言えます。やりたいことが多く存在していると、報酬の種類が目まぐるしく変わります。予期しないものや新しいものを検知すると、ドーパミンのレベルが上がるため、新しい環境で主体的な楽しさを見つける女性もDV男に囚われない傾向にあると言えます。
DV男に依存する女性は、DV男からの報酬(ご褒美)以外にドーパミンレベルが高まる趣味や習慣がとても少ないのです。そのため、DV男からの得られる報酬(ご褒美)が「かけがえのないもの」になってしまうのです。
DV男の優しさは2倍の刺激を女性に与える
DV男に公平な態度を取ることは心地よいことである
先ほどドーパミンの説明をしましたが、ドーパミンを分泌するために重要なのが「公平性」です。公平な扱いを受けていると感じるとき、人はドーパミンを分泌させるようです。不公平な環境に身を置くと、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールのレベルまで高まっていきます。
公平感は、「単に私は公平だ!」という受動的な感覚に留まりません。自分の時間やリソースを分け合ったりお金を寄付したりする主体的な行動も「私は相手に公平に接している」という公平感を与えます。
自分の時間やリソースを分け合うことでドーパミンが分泌されるのであれば、DV男のDV癖を「可哀そう」と感じ、彼のために尽くすことは「公平感」に類似していますよね。
DV行為を当然と思う中で優しくされると、ドーパミンレベルが著しく高くなる
公平性の感覚は、「期待感」が大きく影響します。公平に扱われることを期待して実際にそうなれば、2つの理由からドーパミンレベルの適度な増加が見られます。第1に期待が満たされたから、第2に公平に扱われたからです。
しかし、もし公平に扱われることを期待しながら実際にそうならなければ、2倍のネガティブな感情が生じます。
逆に、予期せずに公平な扱いを受けたときはなおさら気分がよくなります。DV男の「優しさ」が身に染みるのも、ここに理由があります。
期待を裏切られ、不公平な扱いを受けると、ドーパミンが著しく低下します。しかし、期待をせずに、DV行為を当然と思う中で優しくされると、ドーパミンレベルが著しく高くなります。
DV男は女性にとってドラッグ(劇薬)である
DV男性と付き合うことは、「ドーパミンの急上昇」を経験すること
前節で触れた「公平性」と「ドーパミン」の関係から、DV男性と付き合うことで得られるドーパミンはかなり刺激的であることがご理解頂けたかと思います。期待をせずに、DV行為を当然と思う中で優しくされると、ドーパミンレベルが著しく高くなります。
DV男性と付き合うことは、「ドーパミンの急上昇」を経験することです。もしも、DV男と交際する以外にドーパミンの急上昇を経験する方法がなければ、DV男の虜になる女性が存在するのも頷けます。
DV男は、ドラッグなのです。DV男から味わうことができる「ドーパミンの急上昇」は脳を痛烈に刺激するのです。しかも、DV男性のことを「好き」だと認知しているなら、なおさら、DV男から得られるドーパミンの虜になってしまうでしょう。
DV男以外の男性に刺激を感じなくなる
DV男性との交際は一回もしないほうがいいかもしれません。それはドラッグに一度手を出した人間が、ドラッグを止められない構造と同じです。「急上昇ドーパミン」があなたをどんどん支配し、依存度を強くしていきます。
また、DV男が女性にDVをしている時点で、その女性へ依存しているとも言えます。DVカップルは、「共依存状態」にある場合がとても多いのです。共依存状態の場合、第三者の積極的な介入がない場合は、なかなか「別れる」という結果に至りません。
DV男性との交際経験や交際期間が長くなると、「急上昇ドーパミン」の刺激に慣れてしまい、優しい男性に対して「物足りない」と感じるようになります。「不幸を求める脳回路」が完成してしまうのです。
そもそも、DVにハマる女性は、男性を「刺激が得られるかどうか」で選んでいるフシがあるのです。お酒が好きなのではなく、単に酔いたいからという理由でストロング缶に手を出すのと同じですよね。
DV男のランダムな手のひら返しが間欠強化を促進する
DV男はスロットと同じ依存構造を持っている
DV男性の大きな特徴の一つに、「定期的に優しくなる」というものがあります。DV男性は「ランダムで優しくなる」のです。普段のDVからすれば、彼らの優しさは「確変」と言えます。
皆さんは「間欠強化」という言葉をご存知でしょうか?間欠強化とは、心理学用語で、確実にもらえるとき以上に成功報酬がもらえる頻度が少ないほど、もらえたときの快感が大きくなり、その余韻を味わうために、何度も継続してしまうという心理原則です。
アメリカの心理学者スキーナが、レバーを押せばエサが出てくる装置Aと、押したらたまに出てくる装置Bを使ってマウスの実験を行いました。すると、たまにしか出てこない装置のマウスのほうが、より熱心にレバーを押し続けたのです。
間欠強化については、マサチューセッツ大学医学部准教授であり、同大マインドフルネスセンター研究責任者であるジャドソン・ブルワーの非常に興味深い体験談があります。ジャドソン・ブルワーは、境界性パーソナリティー障害患者へのセッションを通して、セッション時間の延長が患者の間欠強化を促していることに気づきました。患者たちは、最も根本的な意味で愛してくれる人、安定した愛着と予測可能な案内図を示してくれる人(この場合、ジャドソン・ブルワー)も求めていました。患者は無意識のうちに、私がそういう人であることを示唆する行動を私に取らせようとしていたのです。そして、私が何らかの一貫しない行動を取ると、彼らは最たる強化である間欠強化を受けることになります。
患者にとって最も顕著な「当たり」が「セッション時間の延長」だったのです。ジャドソン・ブルワーがセッションを延長すれば、患者はそれを特別(報酬)と感じるからです。
この気づきから、ジャドソン・ブルワーは、セッションを常に決まった時間にはじめ、決まった時間に終えるというごく単純なルールを固定化し、間欠強化を与えないようにしたところ、驚くほど効果的だったようです。
失敗やランダム性によりさらに欲しがってしまう「間欠強化」を最も顕著に示しているのが「スロット」です。「たまに当たる」からこそ、ギャンブル依存になります。
DV男にハマる女性はクロス・アディクションにご注意を
ギャンブル依存の構造と、DV男にハマる構造は、ドーパミン的な観点から言えばまったく同じです。むしろ、すべての依存がDV男にハマる構造と同じと言っても過言ではありません。
このことから、DV男性ばかりと付き合う女性は、DV男性と逃れてからも「他の依存症」に気を付ける必要があります。
依存の世界にはクロス・アディクションという言葉があります。クロス・アディクションとは、1つの依存の改善を目指している途中で、別のものに依存することを指します。
DV男性と別れてから、DV男性と関わるのを止めて、息抜きでお酒を飲んでいたら、アルコール依存症になってしまうような現象です。クロス・アディクションは、1つの依存に対して、「いきなり強く禁止する」という対策を取ってしまうことで起こりやすくなります。
DV男は決して策略的に女性の間欠強化を促しているわけではありません。DV男は自尊心や自己肯定感が低く、自分の立場を明確に感じたくて、女性に暴力を振るってしまうのです。セルフコントロールの利かないDV男の行動体質が、たまたまランダム性を生み、女性を虜にしているのです。
DV男から脱却し、幸福を手に入れる方法
方法1:最重要「強い個」を作ること
DV男を好きにならずに、本質的に素敵な男性を好きになるためにはどうすればいいでしょうか?
薬物をやったことがない人が、薬物に近づかない、未経験者は未経験を貫くのが一番の手法です。しかし、既にDV男との交際にどっぷり浸かってしまった女性たちはどのように自分を変えていけば良いのでしょうか?
一番の解決は自律性を楽しめるようになることです。「個を作る」とも言えるでしょう。(1)一人で行う物事に対して目標を持ち、プロセスを踏んでいくことを楽しむ。(2)そして、目標を達成して自己肯定感を積み上げる。この2つを繰り返すことで、自己肯定感は高まります。自己完結できる物事が増えていきます。自分を大切にする意識が強くなり、DV男は「自分を明確に傷つけるもの」だという認知に変わっていくでしょう。
自律性を高め、自分を主体的に動かし、成功体験を積んでいく。このとで、心身に健全で、社会的な地位向上に繋がる物事に対してドーパミンが強く放出されるような体質に徐々に改善されていきます。
素敵な男性との恋愛を重ねるのではなく、自分が自分を愛して、自分を自分で動かして、自身の自律性を高めることが根本的な解決になっていくのです。
方法2:男性の嗜みを多面的に捉えること
正直、DV男は刺激的で、DV男が好きだという一面を変える必要はありません。これまでの内容から分かるように、DV男に一度どっぷり使ったら、他とは違う味わいを理解してしまっているからです。
しかし、男性の嗜み方はたくさんあります。男性にも様々な魅力があり、様々な刺激や味わい深さがあるわけです。自分から多様な属性の人間との出会いを増やしていくことができれば、多様な魅力を持った人に出会えるようになります。
コミュニティを増やすのも、DV男を好きになる認知を崩すきっかけになります。自己肯定感が高まり、自己開示(本音をさらけ出せる)コミュニティを見つけましょう。趣味のサークルでも、異業種交流会でも、何でも構いません。
DV男とばかり交際する女性を変えるには、「彼女の内側の変化」を促すことなのです。DV男と別れさせて、DVをしない男性を紹介することではありません。DV男至上主義になっているドーパミンシステムを変えていくのです。
自分が何者かはっきりと自認できる「専門職」や「専門家」になりたくなるように仕向けることはとてもいいことです。自律性、コントロール感を強く感じることでき、社会的な地位向上に繋がる物事に対してドーパミンが強く放出されるような体質になっていくでしょう。
最後に:幸福体質な脳回路を刻んだ女性になろう
DV男にハマる女性の人生はハネはしない
本書では「DV男にハマる美女の癖質」を脳科学的な観点を軸に解説してきました。
脳科学的に言えば、私たちの幸福な生活は単純です。コルチゾールが低レベルに、ドーパミンが高レベルに保たれ、オキシトシンが豊富に分泌され、セロトニンが高レベルで安定した生活です。
長期的に強いストレスにさらされると、ストレスが慢性化し、ストレス耐性が下がっていきます。ストレスを一気に解消するために、ドーパミンが急上昇するような快楽に手を出してしまいます。協調的なコミュニケーションや触れ合いが少なくなるとオキシトシンが不足します。オキシトシンを生成する状況が生じない限り、動物的本能によって私たちは自然と心を閉ざして他者を敵対視します。
閉鎖的で共依存体質になってしまいます。セロトニンは、太陽の光を浴びること、リズミカルな運動やバランスの良い食事によって、分泌されます。精神を安定させ、ストレスを軽減させるセロトニンが不足していることは、食事・運動などが不健全な可能性があります。
日常を楽しむには、コルチゾールが低レベルに、ドーパミンが高レベルに保たれ、オキシトシンが豊富に分泌され、セロトニンが高レベルで安定した生活を目指すことです。
そのことによって、「不幸を求める脳回路が刻まれた女性」から「幸福体質な脳回路を刻んだ女性」に生まれ変わることができます。
脳の癖を変えれば、男性の癖も変わっていく
私たちは常に完ぺきではありません。理不尽な仕打ちを受け、精神的なダメージによって、現在(いま)を狂わされていることもあるでしょう。
でも、私たちは変わることができます。
私たちは、幸せになることができます。
綺麗ごとになるかもしれませんが、すべての男性、すべての女性が豊かな心で接する世界を私は望んでいます。
脳の仕組みを知ることは、自分の癖の本質を知ることに繋がります。DV男とばかり付き合う女性の癖の本質からは、あらゆる依存は根本的に同じだということも理解できたかと思います。
この記事の知見が皆様の生活の中で少しでも生かされるとしたら、それはとても喜ばしいことです。
では、皆様の恋、愛、体、心、脳が幸せで包まれますように。
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