相手が本音を漏らしちゃうトーク術「先頭語マインドフルネス」
会話する中で「もっと込み入った話をしたいのだけど、なかなか踏み込み切れない」と悩んでいる方は多いかもしれません。
込み入ったことを聞けないのは、自分も相手も「その聞き方じゃあっさりすぎる」という不自然さや唐突さに後ろめたくなるからです。やり取りがなんだかあっさりし過ぎて、濃いフェーズへ話題が到達することにお互いが違和感を持ってしまっているのです。
そこでおすすめしたいのが、最初に出すフレーズでタメや厚みを作って、聞き方を自然かつ違和感ないものにする手法「先頭語マインドフルネス」です。
実践がシンプルで効果抜群のマジで使える会話術です。
それでは、先頭語マインドフルネスのトークノウハウを徹底解説していきます!
ちょい足しで効果てきめんな「先頭語マインドフル」とは
ポイント1:先頭語のコッテリが返報性を高める
先頭語とは、「会話で最初に放つフレーズ」です。質問というのは、アッサリ投げ掛けると、アッサリしたものしか返ってない性質があります。心理学的には「返報性」の原理が働くからです。
なので、コッテリと質問すると、相手もコッテリとした内容、いわゆる本音や秘密などを語りだしてくれるのです。
マインドフルネスとは今に留意を向けることです。先頭語がマインドフルネスな影響を持つことで、込み入った質問に対して、自然な印象で留意を向けるようになります。
ポイント2:本音を引き出す先頭語の一覧
では、相手の内面にサクッと踏み込むために、どんな先頭語を使うのかというと、以下が効果的な先頭語の一覧になります。
【先頭語例】
「意外と〇〇さんって!」
「極論なんだけどさ!」
「極端な話!」
「これ気づいたの自分だけかもしれないんだけど!」
「違うとは思うけどさ!」
「正直に答えてほしいんやけどさ!」
「正直さ!」
「じゃあさ!」
「実際さ!」
「実際問題!」
「そういえばさ!」
「例えばなんだだけど!」
「ちょっと待って、そういえばさ!」
「ちょっとさ、気になったから聞いていい?!」
「っていうかさ!」
「でも、正直なとこさ!」
「何かよくわからんけどさ、〇〇さんって!」
「ひらめいたんだけどさ!」
「ぶっちゃけさ!」
「本音を言えばさ!」
「前から聞きたかったことがあるんやけどさ!」
「昔から思ってたんだけど!」
「もしかしてさ!」
「もしもなんだけどさ!」
「よくよく考えてみたんだけどさ!」
「理想はさ!」
「もしもさ!」
「割とさ!」
読者の中には「はぁ、こんなこと普段の会話で言ってるし!」と思う方もいるかもしれませんが、「戦略的に使ってるますか?」っていう話で、盛り上がっている相手に対しては、自然に出るのは当たり前の話です。
関係が浅い相手に対して、先頭語を適切に使うから、他人よりも自分に心を開き、好意を持ってくれるようになるわけです。
ポイント3:先頭語によるタメや厚みを加える
大事なのは先頭語でタメや厚みを作ることです。
私自身一番使えるパワーワードは「ぶっちゃけ」だと感じています。というのも、「ぶっちゃけ」というのは、先頭語としてリズムもよく、言葉自体が「本音をぶちまける」という意味を持つので、「これからお互いがぶっちゃけた会話をしますよ~」という機運や雰囲気を作りやすいからです。
まぁ、語感には個人差があるので、一番自分が放ちやすいワードをチョイスすると良いです。
すでにこれまで述べたノウハウのトーク例にも「ぶっちゃけ」というワードは幾度となくも登場しています。
先頭語マインドフルの使い方
使い方1:深層・真相・理想・妄想と絡める
相手の本音をえぐり取る話題に使うため、深層・真相・理想・妄想をテーマとする際に、先頭語を使っていきます。
「好かれる会話は深層・真相・理想・妄想を語り合っている」という説明をしましたが、深層・真相・理想・妄想の話題は、以下のような先頭語と締めを用いると、かなりスムーズに聞けるようになります。
【四話題別先頭語&締め例】
・深層:「ぶっちゃけ…●●じゃない!?」
・真相:「意外と…●●だよね!?」
・理想:「理想はさ…●●って感じ!?」
・妄想:「もしも…●●だったらどう!?」
自分のトークの出だしをより柔らかくするには、先頭語を複数組み合わせると良いです。
先頭語マインドフルネスのトーク例
クライアントや同僚と過ごすビジネスシーンから、初対面の異性と絡むラフなパーティーまで、様々なシーンを想定して先頭語マインドフルネスのトーク例をご紹介します。
取り扱える本音は状況次第で変わりますので、ビジネスシーンの場合は、ハラスメントにならないレベルの話題を取り扱うことにだけ注意して、以下を読み進めて下さい。
例1:相手の「ヤバさ」をサクッと引き出す
「実際思ったんですが、この業界ってあまり表には出てないけど、ブラックな部分とかあったりしないんですか?」
「てかさ、ぶっちゃけさ、佳奈さんって、普段、人に出さないヤバい一面あるやろ?」
「正直、課長がここ最近でやってしまった一番ワルなことって何ですか?」
「そういえばさ、意外と和樹くんって、ラブホ行きまくってそうだよね!?」
先頭語の「実際思ったんですが」「てかさ」「ぶっちゃけさ」「そういえばさ」「意外と」という先頭語が使われることで、質問にアッサリ感がなくなっていますよね。程よく質問の発話量が増えることで、厚みが増し、「お互いがこの話題を掘り下げることには必然性がある」という雰囲気を作っています。
そのため、会って初対面でも、本音をポロっと漏らす可能性が高くなるのです。
例2:相手の「理想」を気持ちよく引き出す
「前から聞きたかったんですが、正直なところ、和田社長の理想っていうのは、Webメディアで収益化して、それだけで事業が成り立つという感じでしょうか?」
「理想はさ、自分から好きになって告白されたいって感じ!?それとも、友達だと思ってた人から告白されても付き合えたりする?」
「前から聞きたかったんですが」「正直なところ」「理想っていうのは…」「理想はさ」といった先頭語で質問に厚みを出しています。
コツは、「あえて理想なので、ここは思う存の理想言っちゃって下さい!」的に雰囲気を出すことです。このことで、相手はガンガン自分の理想を熱く語りやすくなります。
理想を「相手が根に秘めている強い想い」であり、なおかつ聞きやすい話題なので、初対面から爆速で関係を構築する際には使いたい話題です。
例2:仮定形で本性を引き出す
「ぶっちゃけ、田中さんって、もしも、外見の印象が普通だった人がいて、その人とのデートが最高に楽しくなったらどう!?恋愛に発展する?てか、あるか分からんけど、今まで見た目好みじゃないけど、付き合ったっていうパターンとかもあるやろ?」
「本田さん、今の会社の仕事もすごく合っていそうですが、ぶっちゃけ、もっとやりたいこととか、あったりしするんですか?もしも、3年後転職するなら、正直、こういう業界とか職種に興味あるみたいな」
「まぁ、もしもなんで、もしもですよ、もしも、今、誰かに好きなだけ説教する権利が与えられたら、正直、誰に説教したいですか?」
「あくまでも仮定の話」なので、本音を乗っけやすい話題です。「ぶっちゃけ」「もしも」という先頭語で厚みを出しています。
例3:営業の際に相手の価値観を自然に引き出す
「業務のマニュアルはあると思うんですが、業務に対するモチベーションを高めるマニュアルとかあったらどうですか?というか、ぶっちゃけた話をすると、社員のモチベーションを高めるってのが結構早急に解決したい課題だったりしますか?」
「いやー、すごく極論になるんですが、安くて住みやすい場所だけど微妙な家と、高くても希望した通りの設計で場所は住みづらい家、もしもどっちかを選ぶしかなかったら、どっちを選びますか?」
仮定形は営業トークでかなり使えます。特に提案営業の場では、相手の価値観を尋ねることで、相手は自分の価値観を本音としてどんどん開示していき、営業マンと自然にパートナーシップを築くようになります。
その結果、競合の営業マンよりも自分に心を開いていることを潜在顧客が強く認知するので、「この人に頼みたい」と思わせることができるようになります。
最後に:先頭語の厚みが本音を深く引き出す
先頭語があなたのゴールを最高にする
自己開示トークの目的は、どんどん本音を開示することで、会話の度に出せる本音を広範囲で深いものにすることです。他の人よりもあなたに圧倒的な本音を出せると比較認識が生まれた瞬間、その人はあなたを特別視します。この特別視がそのまま好意になることもあれば、次に出す魅力を好意へ押し上げる活性剤になることもあります。
だから、先頭語マインドフルによって、本音を引き出せるような話題を自然に振りまくと効果的になるわけです。
先頭語はゆっくりじっくり解き放つ
先頭語マインドフルネスの効果を最大に発揮するには、相手に尋ねる際に「隠れた秘密を暴いてやる」と意気込むのではなく「あなたという存在を認め、より深く仲間になるために、それについて興味を持っている」という温かみを意識することです。
そして、先頭語はゆっくりと発して下さい。そのゆっくりとした間が、「これからお互いに開示していきますよ!」というムードを高めてくれます。いつも使っていそうな何気ないワードも使いどころと使い方によってパワーワードになっていきます。
緊張せずに自然体で使えるトークノウハウで、しかも効果は抜群です。ぜひ、仕事や恋愛など幅広い場所で実践してみて下さい。
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