シャワーを浴びるとアイデアがひらめく科学的理由
シャワー中やお風呂の中では特にアイデアがよく浮かんでくる。その理由は、シャワーが「創造性を活性化させる科学的な特徴を持った場所」だからです。
ペルシルバニア大学のスコット・バリー・カウフマンの研究によると、72%の人がシャワーでアイデアがひらめいた経験があり、職場でアイデアが浮かぶ経験よりはるかに頻度が高いことが分かっています。
そこで、今回は、シャワーを浴びると、新たなアイデアがどんどん生まれてくる理由を分かりやすく解説していきます。
シャワーにおける創造性感化のロジックが分かれば、私たちは戦略的によりよいアイデアを出せるようになります。自分のアイデア力がビジネスやプライベートをさらに引き上げてくれるでしょう。
それでは、さっそく本題に入っていきたいと思います。
本記事の目次
理由1:シャワー中は脳がアイデアの引き出しを増やしているから
デフォルト・モード・ネットワークがアイデア力を引き上げる
あなたは集中して何かをしてない、意識的に何も見ていない、そんなとき「脳は休んでいる」と考えていませんか?
実は「ぼっーとしている状態」は、脳科学の分野で、デフォルト・モード・ネットワークと呼ばれ、脳が過去の記憶や情報を再結合させ、新たな思考や理論を誕生させる時間なのです。
ぼっーとしているほど、脳は勉強や体験で頑張って得た知識や知見を多様に再結合させます。一番何もしていない睡眠中(ノンレム睡眠)でも、デフォルトモードネットワークが活性化します。
しかし、睡眠中にはさすがにアイデアのストックができませんよね。シャワー中は、デフォルト・モード・ネットワークが活動し、「ピンと来た!」ことを認識できる時間です。
理由2:シャワー中はワーキングメモリをフル活用できるから
人間は集中したい時ほど、非クリエイティブな生き物になる
単純にシャワーはあなた一人の独占的な時間ですよね。自由度が高く、他人に邪魔されません。それでいて、お風呂はリラックスタイムです。
結果的にシャワー中は、ワーキングメモリをフル活用できるコンディションに仕上がっているのです。
過度な時間的プレッシャーの下では、創造的な解決策を思いつく可能性が四五%減少することを発見した。あらゆるストレスは、創造性のかわりに、「プレッシャーによる二日酔い」とアマビールが名づけたマイナス効果を生み出すという。しかしも、人びとがストレスから解放された後も、何日か創造性が低下する現象だ。
エリック・バーカー(2017)『残酷過ぎる成功哲学9割がまちがえる「その常識」を科学する』,p.302,飛鳥新社
プレッシャーを感じると、「失敗の未来想像」などによるネガティブな思考が限られたワーキングメモリの場所をより多く占有します。
ワーキングメモリは、長期記憶から現状に必要な情報を取り出し、その情報を組合わせて改変するまさに「大喜利脳」の役割を担っています。
シャワー中は淡々と振る舞うことができ、ワーキングメモリが邪魔しないからこそ、ちょとした考え事で「あれ!なんかいいアイデアが降りてきたぞ!」という確率も高まってくるのです。
理由3:シャワーの水が創造性を高めるから
人間は集中したい時ほど、非クリエイティブな生き物になる
ユタ大学の応用認知研究所の認知心理学者であるデヴィッド・ストレイヤーが6人の神経学者と一緒に行った実験では、自然が創造性を高めることが分かっています。
プログラム参加者56人の創造性を測定するために、被験者の半分には3日間のハイキングを出発する前に「リモート・アソシエイツ・タスク(RAT)」というテストを受けてもらい、残りの半分にはハイキングを終えた3日後に同じテストを受けてもらったのだ。RATとは直観力と「収束創造性」なるものを楽しみながら測定できるテスト(中略)。小規模な実験ではあるものの、その結果は科学誌『プロスワン』に掲載され、研究者たちを驚かせた。ほんの数日間自然のなかですごしただけで、50%も創造性が向上したのである。
フローレンス・ウィリアムズ (2017)『NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる 最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方』,p.55-56, NHK出版
その他、自然が創造性を高める研究は数多く存在しています。多くは森林や公園を対象にしたものですが、水を立派な自然ですよね。
シャワーを浴びることは、自然を浴びることで、創造性を浴びることでもあるのです。浴室をより自然に感じられる空間にリフォームすれば、さらに創造性は高まるでしょう。
応用編:アイデアがひらめくシャワー中の過ごし方
さて、これまでの指摘や見解をもとに、ここからは、私たちがよりクリエイティブ度を高めるためのシャワー中の過ごし方を独自に提案していきたいと思います。
応用1:シャワーの回数と時間を増やせ!
単純にシャワーの回数を増やし、長く入るようになれば、よりよいアイデアがより多く生まれるようになります。企業勤めの人は難しいかもしれませんが、フリーランスなら、仕事の合間にシャワーを浴びることで、解決策となるアイデアが浮かんでくるかもしれません。
応用2:シャワーを「利用してやる」という認知を持て!
私自身、ライティングやデザインの仕事の際は、オフモードの度に「なんとなくこう作ればいいよね」というの固め、仕事中はそれをアウトプットするだけということも非常に多いです。
これはシャワーに限ったことじゃありません。クリエイティブスキルが高い人は、本題や本番とまったく関係のない時間や機会を、本題や本番に「結びつける技術」こそが非常に上手な印象があります。
無関係な事柄を仕事にこじつける貪欲さがあり、趣味や一周回って本業に活きるという強い信念があるんです。だから、他人がスルーする物事を取りこぼさずに、他人とは違うアイデアを出すことができるのです。
応用3:シャワー中にもメモを知ろ!
アイデアを思い付いたら、すぐに浴室から出て、メモに書きとめ、また、シャワーに戻る、そうすることで、あなたの短期記憶からアイデアが消えても、アイデアはメモにきちんと保存されます。
「さっき、いいアイデアが思いついたんだけど、忘れてしまったー」という経験はあるでしょう。
ひらめいたアイデアをずっと頭に刻もうとすると、ワーキングメモリを消費し、新たなアイデアが生まれにくくなります。思いついたら都度メモを取ることで、アイデアを忘れる不安をなくなり、ワーキングメモリの多くの容量を「アイデア」に費やすことができます。
応用4:シャワー中は目的なく拡散思考しろ!
応用2の「シャワーの機会を仕事にうまく生かしてやろう」というマインドは大事ですが、だからといって、脳思考をQ&A式のみに留めないようにしましょう。
シャワー中は1つの答えを求めて考え事をするのではなく、思考が雑に飛び交わせるようにしましょう。プロ野球の優勝チームを想像するのを楽しんだ直後、缶コーヒーの歴代のCMを思い浮かべたり、自分がプロデューサーで好きな番組を作るならどんなタレントをキャスティングするか、など、どんどん思考を拡散させるわけです。
拡散思考はブレインストーミングのようにさまざまなアイディアを出すチカラの基礎となります。一方、自問自答で一つの答えを導こうとするのは収束思考と呼ばれ、脳の勝手が違います。
シャワーでリラックスと拡散思考を繰り返して、脳の潜在能力をどんどん高めていきましょう。
最後に:アイデアのシャワーを自由に降らせよう
シャワーで感じるような脳体験を大切に
「意図的な努力」から逃れ、「意識的な集中」を外すことが、アイデア力を高める機会となります。私は自分でイラストを一から作らず、素材を組み合わせた作品(書籍やLINEスタンプやグッズ)で、数千万以上稼いだりしているので、アイデアの力は非常に強いと感じています。
ライティングの仕事でも、経験とノウハウがあれば、朝風呂でリラックスしながら、他の考え事と楽しみながら、仕事のことも考えると、既に大方アイデアは完成していることもあります。机について1時間後も立たずに、ギャラ10万円のセールスライティングが完了するのです。
実質的な稼ぎだけでなく、クライアントワークでは「ほんといつもたくさんのアイデア頂きありがとうございます!」とか「いつも親身に相談乗ってくれてありがとうございます!」など感謝されることが非常に多くあります。
自分が単に吐きだしているだけのアイデアが、顧客にとってはヒントや価値になっているからです。自分は親身になっているつもりがなくても、そのアイデアは「真剣にウチのことを考えているから出してくれたんだ!」と受け取ってもらえるんです。
自分で全てをこなす体験がアイデア力を引き上げる
自分で企画から運営までを行う出来事(トライ&エラーを痛感できるワークフロー)を増やすことも重要です。所感が痛烈で多いからこそ、考えるべきことが増え、アイデアに敏感になります。
ノウハウが貯まると、ノウハウの使い所が自然に増えるため、アイデアが自分のノウハウと自然に結びつくことも増えます。アイデアによる成功体験が増えると、自分のアイデアにより肯定的になるため、自分のアイデアに罪悪感を覚えずに、ポンポン思い浮かぶようになってきます。
今回のシャワーとアイデアによる知見を取り入れ、より自分自身でアイデアのシャワーを自由に降らせるようになっていきましょう。
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