【必読】社会人の読書術:本を読んで「確実に成長する方法」
自己成長の手段として、崇められる「読書」。「読書する人だけがたどり着ける場所」「頭が良くなり、結果も出る! モテる読書術」「死ぬほど読書」「将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!」「教養読書―仕事も人生も読む本で大きく変わる」といったように、読書最強説を掲げる自己啓発本は世の中に溢れかえっています。
私はクライアントワークで、医者のゴーストライティングをしたり、健康食品会社の商品の成分を決めたり、ベンチャー企業の融資を引っ張る資料を作ったり、専門家や会社の「影武者」を依頼されます。それは、その分野に携わっていない私が、その分野に携わっている専門家や会社よりも、その分野について優れたアウトプットができるからです。
しかも、依頼された段階では「何もその分野について知らない」のです。これまでのクライアントとの関わりから「コイツならできる」と依頼を得るわけです。デザイナーとしてWebサイトの仕事を請けながら、最終的にはその会社のコンサルティングをしていることもあります。
ひとえに、これも「正しい読書術」のおかげです。
読書の目的は人それぞれですが、「社会人が確実に成長する」ためには、かなりのコツがあります。読書がデメリットになっていて、読書で自分を疲弊させているビジネスパーソンもかなりいます。
そこで、今回は、「社会人の読書術」を本質的に徹底して解説致します。拍子抜けするようなノウハウもあるかもしれませんが、ぜひ、最後まで読んで頂ければと思います。
本記事の目次
読書で効果を出すには「フィードバック」が必要である
読書は「目的」ではなく「手段」であるべき
確実な自己成長を促す読書には「フィードバック」が絶対に必要です。ビジネスでも「利用者の声を現場にフィードバックする」といったことがありますよね。「読書の内容を何かにフィードバックする」、この視点と行動が成長を促します。
つまり、本を選ぶ時点で、「この本は〇〇にフィードバックできそうだ」と具体化できればできるほど、読書の効果は高まります。読書を目的とせずに、手段に落とし込めるフィードバックがあるからです。
私自身は、ライティングの仕事をしているので、すべての読書がフィードバックの対象になります。例えば、『最高の脳で働く方法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)という本を読んで、私は『脳科学で解明DV男にハマる美女の癖質』という本を執筆しました。「最高の脳で働く脳科学的見地を、DVオトコにハマる女性の思考へフィードバックした」のです。こんな感じで電子書籍を販売し、Kindleで最高1日10万円の印税を達成しました。
読書効果を高める「ゼネラリストスキル」を磨くべき
読書は「スキルの掛け算」を見越して行うべき
フィードバックポイントを持つことが、読書効果の前提となるなら、フィードバック先が多ければ多いほど、一回の読書の効果は非常に高くなります。
そう考えると、大企業でマニュアル通りの役割をこなすサラリーマンよりも、企画も営業も事務手続きもあらゆることをさせられる中小企業のサラリーマンのほうが、フィードバック先が必然的に多くなります。
フリーランスや経営者は仕事の裁量権が自身に託されているので、自由なフィードバックを手にすることができます(彼らが必ずしも多様なフィードバック環境にあるとは限りません)。
例えば、「自分の趣味のキャンプのメリットをマインドフルネスの観点から、スライド資料にグラフィックにまとめて、ワードプレスのブログにアップして、ロングテールSEOで、アドセンス収入を得よう!」というフィードバックはどうでしょうか?これは、副業(複業)もしくはフリーランスのかたにありそうなケースですよね。
キャンプの本を読んで、マインドフルネスの本を読んで、スライド資料をグラフィカルに凝って作る際に新たなスキルを手に入れて、ワードプレスをある程度扱えて、ロングテールSEOの分析をしてタイトルや見出しを工夫して、Googleアドセンスをきちんと貼る、といった流れを踏みます。いろんなスキルが必要ですよね。
横断的なスキルがなければ、上記の文章の意味がまったく分からない、といった人も出てくるはずです。そこそこのスキルが求められ、なおかつ、企画・アウトプット・運用・分析の流れを一人で踏む機会を見越して読書をすることで、読書は完全に生かされていきます。
サラリーマンのかたは、パラレルキャリアに気軽に取り組むことで、読書の効果を高めることができます。
読書効果を高める「想像性」と「創造性」
読書は「思考を泳ぐこと」で威力を発揮する
読書を「信じる行為」にすると、思考力は養われづらくなります。思考力を高める読書は「著者が出力した事実や考えと対話する行為」です。「もしも、この理論を上司との会話に置き換えると…」と、想像や妄想を膨らませて、内容を切り取っていくことは非常に良いことです。
本は踏み台であって構いません。本を読みながら、その本の情報をもとに、想像や創造が右往左往するべきなんです。速読に効果がないとされる研究は非常に多く存在しますが、速読すると、本を踏み台にするどころか、本通りに操作されてしまいます。本を読みながら、本の内容を追っていくのでなく、もっと個人的なことに向かっていっていいんです。
読書効果を高める「アウトプット」を楽しもう
読書を「錬金術」にする機会が成長の機会となる
読書はインプットと捉えられ、読書の成果を高めるためにアウトプットを薦める主張は、飽きるほどに聞いてきたと思います。私自身は、この記事で伝えた「フィードバック」があれば、必ずしもアウトプットする必要はないと考えています。
アウトプットは脳の報酬系を刺激する事柄に直結するときに、意地となり、質が高まります。アウトプットが意地になることは、インプットも意地になることを意味します。
脳の報酬系を刺激する事柄は具体的には人ぞれぞれですが、「SCARF」と呼ばれる5つの領域が関係します。
・Status(ステータス)
・Certainty(確実性)
・Autonomy(自律性)
・Relatedness(つながり)
・Fairness(公平性)
脳の一次報酬や一次的脅威は上記の5つが軸になっています。「力を身に付けて対価を得る」「他人へ提供して自尊心を高める」といったようなアウトプットは非常に成長を促してくれます。
アウトプットは「書く」「話す」「ブログ記事にする」「電子書籍にする」「プレゼンテーションする」「イベントを開催する」「カウンセリングする」「相談に乗る」「セミナーをする」と、あまりにも多様な形態があります。
自尊心が高まり、相手にも価値があって、対価を得られるような分野を選定すると、アウトプットのためにインプットは感化され、読書の効果は非常に大きくなります。
キャッチ―な文章が書ける、分かりやすく説明できる、楽しいイベントに落とし込める、こういったアウトプットスキルが高まれば、対価と自尊心が獲得できるイメージがより鮮烈に湧いてくるので、インプットへのモチベーションは非常に高くなります。
読書効果は「本を読まずして」得られる
読書で「記憶」を目的にする必要はない
私は、ライティングの仕事で、遺伝子、睡眠、マーケティング、心理学、依存症、栄養学など、様々なことをゴーストライティングしますが、内容を覚えることはしていません。
リテラシーを磨くことだけに注力しています。料理で言えば、「ここは砂糖でなく、塩を使うだろう」という感覚的解釈がリテラシーです。事実は覚えていなくても、「その分野はこういうものだ」という感覚があれば、問題なくアウトプットを行うことができます。
私は本の中で今後使えると思った情報を抽出する「マイ引用集」を作っています。特に「海外のエビデンス」が豊富に集まっているため、専門的なライティングをする際には、すぐに何かしらを引き出すことができます。例えば、スマホ依存のライティングをする際は、
「ロゼリン・リーウォンらは「フェイスブック中毒」と題した論文の中で、自己呈示(他人に対して自分のポジティブな印象を与え、それを維持すること」への欲求が「オンラインメ・ディアの問題含みの使用を理解する鍵である」と論じている。
彼らは、社会的に承認されることへの欲求と、過剰で制御不能なフェイスブック使用との間に相関関係があることを立証した。とくに、自分の社会的スキルが不十分だと感じている人にその傾向が強かった。」シャドソンン・ブルワー(2018)『あなたの脳は変えられる「やめられない!」の神経ループから抜け出す方法』,p.109-110, ダイヤモンド社
といったような引用をすぐに引き出すことができます。どの本にどんなことが書いてあるのかを曖昧に把握するだけでも情報をすぐに探し当てることができます。
ちなみに読書のアウトプットの指摘の際に紹介したSCARFモデルは、デイビッド・ロック著の『最高の脳で働く方法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)という本から持ち出したものですが、この本は約500ページあって、自分が重要だと思って集めた引用は、200箇所以上、文字にして5万7000字程度なので、引用集めに5日ほど掛かっています。
サイトをブックマークしている人は多いかもしれませんが、文字通りのブック「本の中の文章」を事細かにマーキングしている人は少ないかもしれません。
本を読んだ人に「で、その本ってどんなこと書いてあるんですか?」「一番響いたノウハウって何ですか?」と聞いても答えられないことは少なくないと感じています。本の引用集を作っていると、「ちょっと待って、スタンフォード大学の面白い研究とそれに対する著者の解説があって、引用集開くから!えっとねー、これかな!」と差し出すことができます。
読書で成長するなら「平置本」は読まなくていい
読書で「売れている本」は初心者向けであることが多い
本屋でクローズアップされている本よりも、コアな専門書を読むほうが大きく成長します。売れている自己啓発本を読んでも意味がない理由は、曖昧なノウハウはフィードバックさせるのが難しいからです。
初心者向けの本ほど、上級者向けなのです。例えば、煩雑な思考で日々の結果に追われるプロアスリートには「明日があるさ!」という言葉のフィードバック先があっても、目標も目的もない人に「明日があるさ!」はフィードバック先がないわけです。
具体的で専門的なものを吸収し、本書で述べた読書術を実践すれば、曖昧なものをフィードバックさせることが上手になります。
読書する際は「素直な追体験」を心掛けよう
読書の吸収力は「脳の否定語」が大きく関わっている
本に書いてあることに「いったん素直になる」という姿勢は、脳科学的に読書の効果を高めると言われています。
「また、本を読むときは、いつでも素直に内容と向き合うスタンスを持つことが大切です。「これは知っている」「だいたいわかっている」などと思いながら読んでいると、脳が”否定語”に反応して、思考力や記憶力を損ないます。結局、書かれていることがみにつかないということになってしまうのです。」
林成之(2016)『脳に悪い7つの習慣』,p.111,株式会社幻冬舎
最初にある本を読む際は、著者に憑依するぐらいの気持ちで読むと良いでしょう。著者になりきって、著者のセンス、思考パターン、人格にシフトチェンジして読むような姿勢です。
既視感や既知感のある内容が訪れても、初めて触れるような意識を持つように心掛けましょう。
自分の感覚に寄り添った批判的なアプローチは、読書後に我に返った時に自然に溢れてきます。憑依が強ければ強いほど、現在の自分の尺度と違う部分は色濃く残るはずです。
「郷に入っては郷に従え」という言葉と同様に、読書も「書に入っては書に従え」という姿勢を心掛けましょう。
最後に:毒書を防ぐ、良薬にしていこう
読書という体験を自分なりに作り上げていこう
今回は、社会人が確実に成長することを軸に、読書術をお伝えしました。昇進したい、給与を上げたい、独立したい、社会的地位を得たい、そのための適切な読書は、一般的に言われる読書術とは異なっています。
素材を切り取るツールやシステムに溢れている社会の中で、読書の大きな役割とされる「知のインストール」がパワフルさを失っています。実際私はフリーイラスト素材の「切り貼り」でLINEスタンプが10万ダウンロードを売り上げたり、フリー素材写真のモデルを「寄せ集め」した写真集でAmazon総合1位を獲得しました。
本に書いてあることを鵜呑みにするスタイルでなく、本に書いてることを使い倒すスタイルはおススメです。頑張ろうとする社会人の中の誰かにこの記事が刺さることがあれば、とても幸いです!
毒書の機会を避けて、読書体験良薬にして、自分の人生をどんどん引き上げていきましょう。
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